Claudeを使い始めると、まず直面するのが「Opus・Sonnet・Haikuのどれを使えばいいのか?」という疑問です。

3つのモデルはAPI料金が最大5倍異なり、性能にも明確な差があります。しかし高いモデル=常に最適とは限りません。用途によってはHaikuの方が合理的な場合もあれば、Opusでなければ対応できないタスクもあります。

この記事では、2026年4月時点の最新料金・性能・速度を比較し、利用シーンごとのコスト試算を交えて最適なモデル選択を解説します。

1. 3モデルの位置づけ

Claude 3モデルの位置づけ:Opus(最高性能)、Sonnet(バランス型)、Haiku(高速・低コスト)
モデルポジションリリース一言で言うと
Opus 4.6フラグシップ2026年2月最も賢い。エージェント・複雑なコーディング向け
Sonnet 4.6バランス型2026年2月速度と知性の最適バランス。日常利用に最適
Haiku 4.5高速・低コスト2025年10月最速。大量処理・リアルタイム用途向け

名前の由来は文学的な長さに対応しています。オーパス(大曲)は最も複雑で長い思考、ソネット(十四行詩)は程よい深さ、ハイク(俳句)は短く素早い応答、というイメージです。

2. API料金比較

Claude Opus・Sonnet・HaikuのAPI料金比較表:入力・出力・バッチ・キャッシュ価格

標準料金(100万トークンあたり)

モデル入力出力バッチ入力バッチ出力キャッシュヒット
Opus 4.6$5$25$2.50$12.50$0.50
Sonnet 4.6$3$15$1.50$7.50$0.30
Haiku 4.5$1$5$0.50$2.50$0.10

最も高いOpus出力($25/MTok)と最も安いHaiku出力($5/MTok)の差は5倍です。ただし、Opusの前世代(Opus 4.1)は$75/MTokだったため、Opus 4.6は旧世代比で3分の1に値下げされています。

コスト削減テクニック

バッチAPIを使うと半額、キャッシュヒットなら入力コストが10分の1になります。両方を組み合わせると最大95%のコスト削減が可能です。大量処理を行うなら、まずこの2つの活用を検討してください。

「トークン」とは?

APIの料金は「トークン」単位で課金されます。日本語の場合、おおよそ1文字=1〜2トークン、英語は1単語=約1.3トークンです。100万トークンは日本語で約50万〜100万文字、文庫本3〜5冊分に相当します。

3. サブスクリプションではどうなる?

APIの従量課金ではなく、月額サブスクリプションを使うと料金構造が大きく変わります。

プラン月額利用可能モデルデフォルト
Free$0Sonnet 4.5のみSonnet 4.5
Pro$20全モデルSonnet 4.6
Max 5x$100全モデルOpus 4.6
Max 20x$200全モデルOpus 4.6

サブスクリプションは「使い放題」ではなく使用量の上限がありますが、APIに比べて15〜30倍お得です。あるユーザーの報告では、8ヶ月間で100億トークンを消費し、APIレートなら$15,000以上のところMax契約で約$800に収まっています。

Claude Codeでのモデル切り替え

Claude Codeでは起動時に claude --model opusclaude --model sonnet、セッション中に /model sonnet でモデルを切り替えられます。Proプランのデフォルトはsonnet、Max以上はopusです。Claude Code自体の詳細はClaude Chat・Cowork・Codeの違いを参照してください。

4. 性能ベンチマーク比較

ベンチマーク測定内容Opus 4.6Sonnet 4.6
SWE-bench Verifiedコーディング能力80.8%79.6%わずか1.2pt
GPQA Diamond科学的推論91.3%74.1%17.2pt
OSWorld-VerifiedGUI自動操作72.7%72.5%ほぼ同等
数学数理問題89%

注目すべきはコーディング性能の差がわずか1.2ポイントであることです。Sonnet 4.6はClaude史上初めて、前世代のOpusを上回るコーディング性能を持つSonnetとなりました。

一方、科学的推論(GPQA Diamond)では17.2ポイントの大差があり、学術的な分析や複雑な論理的推論が求められるタスクではOpusが明確に優位です。

Haiku 4.5の公式ベンチマークは未公開ですが、Anthropicは「フロンティアに近い知性」と位置づけており、単純なタスクではSonnetに近い精度が期待できます。

5. 速度とコンテキストウィンドウ

モデル速度(目安)コンテキスト窓最大出力
Opus 4.6約20〜30 tok/秒100万トークン128Kトークン
Sonnet 4.6約40〜60 tok/秒100万トークン64Kトークン
Haiku 4.5Sonnetの2〜5倍20万トークン64Kトークン

Haikuの最大の強みは速度です。応答開始までの時間(TTFT)が最も短く、リアルタイムのチャットボットやオートコンプリートに適しています。

Opusのコンテキスト窓は100万トークン(文庫本約15〜30冊分)で、大規模なコードベース全体を一度に読み込むようなタスクに対応します。また、最大出力が128KトークンとSonnet/Haikuの2倍あり、長い文書の一括生成に向いています。

6. 利用シーン別コスト試算

実際のタスクでどれくらいのコストがかかるか、API標準料金(キャッシュ・バッチなし)で試算します。

シーン①:2,000字の記事を生成する

入力:約1,000トークン、出力:約4,000トークン

モデル入力コスト出力コスト合計
Opus 4.6$0.005$0.100約$0.11
Sonnet 4.6$0.003$0.060約$0.06
Haiku 4.5$0.001$0.020約$0.02

シーン②:コードファイルを読み込んでリファクタリングする

入力:約10,000トークン(コード+指示)、出力:約5,000トークン

モデル入力コスト出力コスト合計
Opus 4.6$0.05$0.125約$0.18
Sonnet 4.6$0.03$0.075約$0.11
Haiku 4.5$0.01$0.025約$0.04

シーン③:チャットボットで1日1,000件の問い合わせに応答する

1件あたり入力200トークン・出力300トークン × 1,000件

モデル日額月額(30日)
Opus 4.6$8.50$255
Sonnet 4.6$5.10$153
Haiku 4.5$1.70$51

チャットボットのように大量処理が必要な場面では、HaikuとOpusの差が月額$200以上に広がります。応答品質が十分ならHaikuを使い、複雑な問い合わせだけSonnetやOpusにルーティングする設計が現実的です。

7. どのモデルを選ぶべきか

モデル選択フローチャート:タスクの複雑さと処理量に応じたOpus・Sonnet・Haikuの使い分け
用途おすすめモデル理由
日常のコーディング・執筆Sonnet 4.6Opusの98%のコード品質で、コスト40%減・速度2倍
大規模リファクタリングOpus 4.6100万トークンの文脈窓と128K出力が活きる
学術的分析・複雑な推論Opus 4.6GPQAで17ポイント差。深い推論は代替不可
チャットボット・カスタマーサポートHaiku 4.5最速+最安。定型応答に最適
大量バッチ処理(分類・タグ付け)Haiku 4.5コスト1/5で大量処理に耐えられる
Claude Codeでの開発Sonnet 4.6Proプランで十分。複雑な設計時のみOpusに切替

実践的なアドバイス

迷ったらまずSonnetから始めてください。ほとんどのタスクではSonnetで十分です。Sonnetの出力品質に満足できない場合だけOpusに切り替え、単純な繰り返しタスクが多いならHaikuに降格する——この段階的アプローチが最もコスパが良くなります。

FAQ

OpusとSonnetのコーディング性能差はどの程度ですか?

SWE-bench Verified(コーディングベンチマーク)のスコアはOpus 4.6が80.8%、Sonnet 4.6が79.6%で、差はわずか1.2ポイントです。日常的なコーディングでは体感できないほどの差であり、コスト差(Opus $25 vs Sonnet $15/MTok)を考えるとSonnetの方がコスパが良いです。ただし、大規模なアーキテクチャ設計や複雑な推論が必要な場面ではOpusが優位です。

サブスクリプションとAPIのどちらがお得ですか?

定常的に使うならサブスクリプションが圧倒的にお得です。サブスクはAPIの15〜30倍安いとされています。Proプラン($20/月)でもAPIで同等の利用をすると月$180以上かかる計算です。APIが有利なのは「月に数回しか使わない」「バッチ処理で大量にさばくが頻度は低い」といった限定的なケースに限られます。ChatGPTとの料金比較はClaude vs ChatGPT料金比較で解説しています。

Haiku 4.5はどのくらい「賢い」のですか?

Anthropicは「フロンティアに近い知性」と位置づけています。公式ベンチマークは限定的ですが、コンテンツ分類・要約・Q&Aなどの定型タスクではSonnetに近い精度が期待できます。ただし、複雑な推論や長いコード生成ではSonnet/Opusとの差が出ます。コストが1/5であることを考えると、「十分な品質で大量処理」が求められる場面で最も輝きます。

Opus 4.6は以前のOpusより安くなったのですか?

はい。Opus 4.1の出力料金は$75/MTokでしたが、Opus 4.6では$25/MTokに値下げされました。3分の1の価格で、性能は向上しています。コンテキスト窓も200Kから100万トークンに5倍拡大し、コスパは大幅に改善されました。